1995年にファーストアルバム『Brown Sugar』でデビューし、「Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)」やスティーヴィー・ワンダーの時代のソウル感覚とヒップホップ世代の感性を見事に融合させ、ニュークラシック・ソウル/ネオ・ソウルという一つのムーブメントを作り出し、数々のフォロワーを生み出した「D’Angelo(ディアンジェロ)」。
『Brown Sugar』という作品は、R&Bのラヴソングが「ドープ」という言葉で形容されうることを証明した。
ディアンジェロの作品の多くは、タメの利いたスネアやリムショット(ドラムの縁を叩く演奏法)とオフビート気味なキックが相乗的にはたらき、中毒性を帯びたグルーヴが生まれる。
そこに絡むのが、ミステリアスなDのエレクトリック・ピアノや、ゴスペルの空気を吸ったDのオルガンであった・・・。
その後、次作『Voodoo(2000年)』や最新作『Black Messiah(2014年)』での強烈な個性や主流の音楽市場とは相容れない灰汁(アク)のようなものの中には、黒人音楽界における最後の天才ぶりが伺える。
新しいR&Bの流れを決定づけた傑作アルバムのタイトルでもある、最もシンプルでエレガントな三人編成で奏でる “Brown Sugar” をお届け。
by JELLYE ISHIDA.
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