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70年代アーバン・メローグルーヴの帝王『Leon Ware(リオン・ウェア)』

70年代アーバン・メローグルーヴの帝王『Leon Ware(リオン・ウェア)』

 

マーヴィン・ゲイの代表作と言えば「What’s Going On」、或いは「Let’s Get It On」というアルバムが先に挙げられてしまう。

しかし、個人的には1976年のアルバム『I Want You』が、先の2つの作品に勝るとも劣らない思い入れのある名盤だ。

I Want Youというアルバムはもともと『Leon Ware(リオン・ウェア)』というアーティストが、自身のアルバム制作の為に作成していた音源であったが、マーヴィン・ゲイがこの音源を非常に気に入ってしまい、元はリオン・ウェア自身のアルバムだったものを、丸ごとマーヴィン・ゲイ名義の作品として作り直したものだ。

実のところ「リオン・ウェア」こそが、70年代アーバン・メローグルーヴの帝王であり、クラシックの名曲を残してきた誰もが認める元祖メロウ・ソウル/フリーソウル王子である。

 

 

高度な作曲センスとクオリティは、現在においてもミュージックシーンの中でもトップレベル。ブラックミュージックでメロウという言葉を用いて、官能的で性愛的表現は他にも色々とあるが、この人ほどそれを極めたアーティストはいない。

彼はマーヴィン・ゲイの名作アルバム『I Want You』を筆頭にアイズレー・ブラザーズ、ミニー・リパートン、クインシー・ジョーンズ等大御所たちの作品を手がけ、現在もDox Records(オランダ)の歌姫「ジョヴァンカ」とのコラボをはじめ、ジャンルを超えてコラボ作品のクオリティも現在のミュージックシーンの中ではトップレベルなのである。

私は彼の現在もバリバリ現役すぎて凄い姿に感銘を受けつつ、70歳を超えて歌う姿に勇気をもらっていた。

そんなソウル名曲を生んだことで知られるリオン・ウェア(Leon Ware)が、先月(2017年2月)現地時間で23日までに亡くなったことが明らかになった。2月16日に77歳の誕生日を迎えたばかりだった。

今宵はそんなリオン・ウェア(72歳当時)を惜しみつつ『I Want You』をお聞き頂きたい。

by JELLYE ISHIDA.


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