【 Lady Blackbird – Fix It [ Debut Album:Black Acid Soul ] 】
今日、紹介したい『My favorite jam now!(今、私のお気に入りジャム!)』は、2021年9月3日に待望のデビューアルバム『Black Acid Soul (ブラック・アシッド・ソウル)』をリリース(国内での輸入盤 CD/LP発売は2022年01月28日)した、「Marley Munroe (マーリー・マンロー):従来名称」こと『Lady Blackbird (レディ・ブラックバード):現在名称』の“ Fix It ”である。
私自身、新しいアーティストのアルバムを聴いて、その素晴らしさに圧倒されることはめったにない ‼
しかし、まるで50年代のアナログ機器で録音されたかのような「ジャズ・ヴォーカルの伝統的な響き」を生かしているこの美しい女性は、「彼女独自のスタイルを備え、崇高な声(ほとんど彼女の年を超えて)を持ち、それはあなたに鳥肌を与え、あなたが持っている会話を止め、あなたに耳を傾けさせ、あなたに息をのませる」だろう・・・。
それは、彼女の歌声が私の耳に飛び込んできて以来、ターンテーブルから今回のアルバムが外れることは一切なく、今だ自身の「原初の恍惚と高揚感」は四六時失せることが全くないからだ ‼
紹介する“ Fix It ”は、ジャズ・ピアニスト「Bill Evans (ビル・エヴァンス)」のカヴァー曲で、原曲は1958年に彼の2ndアルバム『Everybody Digs Bill Evans (1959)』のために録音され、リハーサルなしのモーダル・ジャズ・コンポジション “ Peace Piece ” に歌詞とボーカルを追加した楽曲。
特筆すべきは、ビル・エヴァンスの相続人がレディ・ブラックバードとクリス・シーフリードに共作権を与え、作曲に歌詞とボーカルを追加したほどの楽曲であるということだ・・・‼
ちなみに原曲の “ Peace Piece ” は、ビル・エヴァンスのジャズにおける革新性を刻んだ、これまでに録音された中で最も美しく刺激的なソロピアノの即興演奏として、ジャズを代表する傑作としてジャンルを超えた幅広い人気を得ている。(※ 後記詳細を一読頂きたい)
by JELLYE ISHIDA.
● Lady Blackbird – Fix It
00:00 ▶ Opening:Black Acid Soul [Instrumental]
01:30 1. Lady Blackbird – Fix It [ 原曲:Bill Evans – Peace Piece (1958) ]
#blackacidsoul
『Lady Blackbird – Fix It 歌詞』
Shouldn’t care
I should just weep
Shouldn’t care
I should just sleep
When you’re lost without a clue
And the distance turns to blue
I’ll fix it for youYesterday, face off this rain
Now today everything’s plain
Your heart is being accused
You’re darkened and you’re bruised
I’ll fix it for you
I’ll fix it, fix it, fix it for youShouldn’t care
I should just weep
Shouldn’t care
I should just sleep
When you’re lost without a clue
And the distance turns to blue
I’ll fix it for you
I’ll fix it, fix it, fix it for you気にしないでください
私はただ泣くべきです
気にしないでください
私はただ寝るべきです
手がかりなしで迷子になったとき
そして距離が青に変わります
修正します昨日、この雨に立ち向かおう
今日、すべてが明白です
あなたの心は非難されています
あなたは暗くなり、傷ついた
修正します
私はそれを修正し、それを修正し、あなたのためにそれを修正します気にしないでください
私はただ泣くべきです
気にしないでください
私はただ寝るべきです
手がかりなしで迷子になったとき
そして距離が青に変わります
修正します
私はそれを修正し、それを修正し、あなたのためにそれを修正します
【 Debut Album『Black Acid Soul』Album Information 】
・発売日:オリジナル盤 (2021年9月3日) / 国内輸入盤CD・LP (2022年01月28日)
・録音:2020/2021
・スタジオ:サンセットサウンド(スタジオB),LA
・レーベル:Fondation Music / BMG
・フォーマット:LP、CD、ダウンロード
・ジャンル:ジャズ
・スタイル:コンテンポラリージャズボーカル/レトロソウル
・タイトル(番号):11
・長さ:41:53[ Musicians ]
・ボーカル:Lady Blackbird (レディ・ブラックバード)
・ギター:Chris Seefried (クリス・シーフリード)
・ピアノ、メロトロン、シンセサイザー:Deron Johnson (デロン・ジョンソン)
・ダブルベース:Jon Flaugher (ジョン・フローター)
・ドラム:Jimmy Paxson (ジミー・パクソン)
・トランペット:Troy Andrews (トロイ・アンドリュース)[ Track list ]
01. Blackbird – Nina Simone (1963)
02. It’s Not That Easy – Reuben Bell with The Casanovas (1967)
03. Fix It – Bill Evans/原曲:Peace Piece (1958)/Chris Seefried, Marley Munroe (オリジナル歌詞とボーカル)
04. Ruler Of My Heart – Irma Thomas (1963)
05. Nobody’s Sweetheart – Chris Seefried (オリジナル)
06. Collage – James Gang (1969)
07. Five Feet Tall – Chris Seefried, Marley Munroe (オリジナル)
08. Lost And Looking – Sam Cooke (1963)
09. It’ll Never Happen Again – Tim Hardin (1966)
10. Beware the Stranger – Voices of East Harlem/原曲:Wanted, Dead or Alive (1973)
11. Black Acid Soul – Chris Seefried, Deron Johnson, Jimmy Paxson, Jon Flaugher*, Marley Munroe (オリジナル)
デビューアルバムである『Black Acid Soul』のプロデュースを手掛けるのは、グラミー賞にもノミネートされた経験を持つプロデューサー『Chris Seefried (クリス・シーフリード)』で、シーフリードはギタリストとしてもレディ・ブラックバードのサウンドを支えている。
【 ジャズ・ピアニスト『Bill Evans』の楽曲 “ Peace Piece ” 】
ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスは、まだジャズが黒人音楽だった1950年代後半、白人ミュージシャンとしてシーンに現れた。その音楽は、それまでの黒人音楽特有の“黒々とした”ソウルやスイングとは異なり、洗練され、優美な音楽だった。
ビル・エヴァンスが最もその名を知らしめ、最もそのキャラクターを印象づけた楽曲は、1961年にヴィレッジ・ヴァンガードでのライブを収録した “ Waltz for Debby ” だろう。確かに、これ以上の愛すべき楽曲(もしくは、彼の最も知られたアルバム『Waltz for Debby』)はない。
ただ、ビル・エヴァンスがジャズにおける革新性を刻んだ楽曲は、1958年に彼の2ndアルバム『Everybody Digs Bill Evans (1959)』のために録音した、リハーサルされていないモーダル・ジャズ・コンポジション “ Peace Piece ” であろう。
これまでに録音された中で最も美しく刺激的なソロピアノの即興演奏として、ジャズを代表する傑作としてジャンルを超えた幅広い人気を得ている。
この曲を聴いて誰もが、「これはジャズか?」と思っただろう。この曲は、たった2つのコードを循環させながら、そこに即興の短いフレーズが散りばめられていく。もちろん、ジャズは即興音楽だが、それなりに主となるテーマと構成されたコードがあり、メロディがある。だが、この “ Peace Piece ” は、ただ2つのシンプルなコードをキャンバスにして、自由自在に絵を描くかの如く、感じるままにフレーズが奏でられる。
発表当時、この曲はかなりアヴァンギャルド(前衛的)だっただろう。しかし、何度もこの曲を聴くうちに、やがてはこの “ Peace Piece ” の即興こそが「究極のジャズ」であるように思われる。
なお、ビル・エヴァンスが1958年に「Miles Davis (マイルス・デイヴィス)」のバンドにおいて、録音とツアーなどの活動に短期間加わり、バンドで唯一の白人であること、ドラッグの問題、そして彼自身がリーダーとしての活動を望んだためにバンドを離れるも、デイヴィスの要望で、ジャズ史に大きな影響を与えた1959年の『Kind of Blue』のセッションに参加していたことは有名である。
ハード・バップ的な頻繁なコードチェンジではなく、モードに根ざしたアドリブをこのアルバムで目指していたデイヴィスは、エヴァンスのアイディアを必要とし、このアルバムにエヴァンスは自作 “ Blue in Green ” を提供している(ただし、クレジットはマイルス作曲となっている。エヴァンスの『Portrait in Jazz (1959)』での同曲のクレジットはエヴァンスとデイヴィスの共作とされている)。
また、“ Flamenco Sketches ” が『Everybody Digs Bill Evans (1959)』収録の “ Peace Piece ” を発展させたものと伺えるなど、『Kind of Blue』にはエヴァンスの影響が色濃く反映されている。
●【特集】Lady Blackbird
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