昨年末の2017年12月23日、伝説的レゲエ歌手でありラスタマン『Bob Marley(ボブ・マーリー)』のベストアルバム「レジェンド(Legend)」が米国のアルバムチャートに通算500週間ランクインするという金字塔を打ち立て、レゲエの「神様」マーリーのレガシーをさらに確固たるものとした・・・‼
マーリーが36歳でがんで亡くなった3年後の1984年にリリースされた「レジェンド」は、、有名なヒット曲「ゲット・アップ・スタンド・アップ(Get Up Stand Up)」「ノー・ウーマン・ノー・クライ(No Woman No Cry)」「レデンプション・ソング(Redemption Song)」などが収録されている。
そもそも“レゲエ”はジャマイカで伝統的に継承された民俗音楽ではなく、その歴史は比較的浅く、アメリカの50年代頃からラジオの電波で聴取可能となった、ジャズやR&B等のエッセンスにジャマイカ独自のサウンド素養を融合したオリジナル音楽なのである ‼
ジャマイカには元々“メント”というアフリカの影響を強く受けた素朴なダンス音楽があった。ジャマイカの独立とほぼ相前後する形で誕生したのが“スカ”と呼ばれる音楽スタイルである。これは前述の如く、アメリカの放送局から流れてくるジャズやR&B等から影響を受けた大衆音楽なのである。
欧米列強国に依る奴隷貿易及び植民地支配で、アメリカに売られた黒人達が過酷な運命を強いられたように、ジャマイカでも同様な苦難の歴史があった。そして、「マリリン・モンロー」の訃報が流れた翌日、1962年8月6日にイギリスから完全に独立し、ジャマイカ国旗を掲揚するに至ったのである。
アメリカ南部の黒人達は、現実的に父なる祖国アフリカに還ることは叶わぬと悟り、どんな不遇にも差別にも負けずに今後もアメリカで生きていくしかないと覚悟を決めたのである。そんな土壌の下でブルーズが誕生し、且つ、その決意の証しがブルーズでもある ‼
これに対し、ジャマイカで誕生したレゲエは「アフリカへ帰ろう!」と呼びかけた音楽であり、その思想の源になっていたのが『ラスタファリニズム』なのだ。
ボブ・マーリーはラスタファリニズムの先頭に立ち、彼らのルーツであるアフリカへの回帰願望や黒人達は一つの家族であるという連帯感をレゲエのリズムに乗せて歌い、世界中にメッセージを投げかけたのだ ‼
by JELLYE ISHIDA.
〖 Bob Marley(ボブ・マーリー) 〗
ドレッド・ロックスを掻き乱し、自由と平和、愛を叫んだボブ・マーリーは、イギリス人陸軍兵士の父とアフリカ系ジャマイカ人の母の間で生まれた。つまり白人と黒人との混血であり、親同士が支配側と被支配側とに分かれた境遇は、彼を困惑と苦悩に追い込み、その生い立ちが両者の壁を打ち崩す運命を授けられたと解釈するのは大仰だろうか・・・。
その父はボブが10歳の時に亡くなり、彼は母と共にキングストンのスラム街トレンチタウンで暮らすようになった。そこで彼は街中のルードボーイ(不良少年)に混じって、レゲエの原型のような音楽的基盤を育てていくのである。
やがて音楽で生計を立てることを決意したボブは、後に“ウェイラーズ”のバンドメンバーになるバーニー・ウェイラーやピーター・トッシュと知り合う。彼ら3人はコーラス・トリオとして活動を始めるものの、生活の足しになるような成果はほとんど挙げられなかった。
それでも彼らの実力を評価した「コクソン・ドッド」は、流行のスカで飛ぶ鳥を落とす勢いだった“スカタライツ”をバックにシングルをレコーディングさせ、これが大ヒットを記録する。
この時期、ボブはラスタファリニズムに入信している。まだレゲエという音楽は確立されていなかったが、ボブはラスタファリニズムのメッセージを独特の緩やかなリズムに乗せて歌い、一躍ジャマイカ人の心を揺さぶった。
ザ・ウェイラーズと名乗るようになった彼らの曲は、67年頃からレゲエという新しい音楽ジャンルとして認識され、ウェイラーズもまたベースやキーボードに実力あるミュージシャンを加入させ、バンドの下地を築いていった。
ボブ・マーリーの音楽はゆったりとしたメロディーの中に強いメッセージ性が含まれている。ボブは、幼いころ父親を亡くして以来、スラム街で少年時代を過ごした。決して恵まれた環境とはいえないなか、彼は音楽と出会う。
ボブは当時ジャマイカの貧しい人々に音楽で勇気と希望を与え、生涯平和を願った。その魂のこもったメッセージは今も強く心に響く。ボブの言葉は歌となり、名言としてこれからも人々の記憶に残り続けるだろう。
俺の命より他の人々の命が重要だ。
皆を救ってこそ俺はある。
自分のためだけの命なら俺は要らない。
俺の命は人々のためにある。「by Bob Marley」
『No Woman, No Cry』
貧しいスラム街に住む車も持てない男たちが、たった二本の足だけで政府と戦って長く家を留守にしていた。
その間に家を守り、男の不在を悲しんだ妻に向けた歌だ ・・・‼No, woman, no cry.
No, woman, no cry.
No, woman, no cry.
No, woman, no cry.愛しい女よ、泣かないで
愛しい女よ、泣かないで‘Cause—’cause—’cause I remember when a we used to sit
In a government yard in Trenchtown,
Ob—observing the hypocrites.
Yeah!
Mingle with the good people we meet.
Yeah!僕は覚えているよ 僕たちが
トレンチタウンの共同炊事場によく座りこんでいたよね
偽善者たちを見つめながら
僕たちが出会った善良な人たちに交じっていたねGood friends we have. Oh.
Good friends we have lost along the way. Yeah!
In this great future you can’t forget your past.
So dry your tears, I say.
Yeah.いい友達がいた
いい友達を失った これまでに
この素晴らしい未来でさえ、君は過去を忘れることができない
だから涙を拭いてよNo, woman, no cry.
No, woman, no cry. Eh, yeah!
A little darlin’, don’t shed no tears.
No, woman, no cry. Eh!愛しい女よ、泣かないで
愛しい女よ、泣かないで
かわいいダーリン、涙を流さないで
愛しい女よ、泣かないでSaid—said—said I remember when we used to sit
In the government yard in Trenchtown. Yeah.
And then Georgie would make the fire lights,
I say, log wood burnin’ through the nights.
Yeah!僕は覚えているよ 僕たちが
トレンチタウンの共同炊事場によく座りこんでいたよね
ジョージが火を起こしていたっけ
夜通し薪を燃やしていたねThen we would cook cornmeal porridge,
I say, of which I’ll share with you.
Yeah!
My feet is my only carriage
And so I’ve got to push on through.そして、僕たちはコーンミール粥を作ったよね
君と分け合って食べたっけ
この足だけが僕を運ぶ術だから
ずっと前進し続けなければならないのさBut while I’m gone,
Everything’s gonna be all right!
Everything’s gonna be all right!
Everything’s gonna be all right, yeah!
Everything’s gonna be all right!
Everything’s gonna be all right-a!
Everything’s gonna be all right!
Everything’s gonna be all right, yeah!
Everything’s gonna be all right!でも、僕がいない間だって
全てはうまくいくから
全てはうまくいくから
全てはうまくいくからSo, no, woman, no cry.
No, woman, no cry.
I say, oh, little—oh, little darlin’, don’t shed no tears.
No, woman, no cry. Eh.だから、愛しい女よ、泣かないで
愛しい女よ、泣かないで
かわいいダーリン、涙を流さないで
愛しい女よ、泣かないでNo, woman—no, woman—no, woman, no cry.
No, woman, no cry.
One more time I got to say,
Oh, little-little darlin’, please don’t shed no tears.
No, woman, no cry.愛しい女よ、愛しい女よ、泣かないで
愛しい女よ、泣かないで
もう一度言うよ
かわいい、かわいいダーリン、お願いだから涙を流さないでくれ
愛しい女よ、泣かないで
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