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The R&B of essence. VOL.10『オーガニック Neo Soul の扉をいち早くノックした ❝ Cherokee(チェロキー) ❞』

The R&B of essence. VOL.10『オーガニック Neo Soul の扉をいち早くノックした ❝ Cherokee(チェロキー) ❞』

 

70’sライクかつジャジーなR&Bを「ニュー・クラシック・ソウル」「オーガニック・ソウル」と呼んだ90’s。

その源流を辿ると、「Meshell Ndegeocello(ミシェル・ンデゲオチェロ)」らが93年ごろからやっていたなどの諸説がある。

【 Meshell Ndegeocello(ミシェル・ンデゲオチェロ)】

ジャンルの壁を超え、孤高の音楽を奏でる天才シンガー・ソングライターであり、ラッパー、ベーシストの「Meshell Ndegeocello(ミシェル・ンデゲオチェロ)」。本名はミシェル・リン・ジョンソン。1968年8月29日、彼女は西ドイツのベルリンで生まれ、ワシントンD.C.で育った。

グラミー賞ノミネート10回を誇る彼女は、キャリアを通じて批評家の称賛を数多く受けており、その音楽は、ファンク、ソウル、ヒップホップ、レゲエ、ダブ、R&B、ロック、ジャズの要素を含む、言わば彼女の音楽こそ「ネオ・ソウル」のさきがけだった。

デビュー当時、粘り気のあるグルーヴィーなラインとキレのあるスラップで一躍ベース・シーンに躍り出た彼女のプレイは年々進化を見せ、今では音数を削ぎ落とした一音一音に魂を込めるような重みと深みを感じさせる。

もともとベースのみならず、ヴォーカル・ギター・ドラム・キーボードといった楽器をこなすマルチ・ミュージシャンである彼女は、近年ではサポート・ベーシストを従えて本人は歌に徹することも多い。

ミシェルの「スポークン・ワード」を取り入れた独特のヴォーカル・スタイルと楽曲のクオリティはデビューした1990年代前半では異彩を放っており、メジャー・レーベル各社が争奪戦を繰り広げることとなる。そしてミシェルが自身の活動の場として選んだのは、マドンナのレーベル、「マーヴェリック」であった。



1993年、満を持して発表されたデビュー作「Plantation Lullabies (1993年、Maverick)」は、ミシェルの躍動感溢れるファンキーなプレイとヴォーカルとしてのスキルの高さ、そしてコンポーザーとしての実力をいかんなく発揮した素晴らしい作品であり、“I’m Diggin’ You (Like an Old Soul Record)”や “If That’s Your Boyfriend (He Wasn’t Last Night)”のミュートの効いたサウンドで聴かせるタイトかつ流れるようなリフに乗って、時に伸びやかに、時にささやくように歌う彼女の存在感は、彼女が既に大物であることを十分に予感させるものであった。


しかしいま思えば、ネオ・クラシカルな新作を出したばかりの「Angie Stone(アンジー・ストーン)」が以前在籍していた「Vertical Hold(ヴァーティカル・ホールド)」の『Head First』(95年)がその先鞭作と言える。



というのも、同作収録の「Pray」ではデビュー前の「D’Angelo(ディアンジェロ)」が歌&ピアノで客演するなど、現在のネオ・ソウルに繋がるスタイルが見て取れるからだ。



しかも同作を陰で支えていたのは前モータウン社長『キダー・マッセンバーグ』だ。

のちに彼のもとからは「Erykah Badu(エリカ・バドゥ)」を筆頭に、「グレニーク」や「インディア・アリー」らレトロな装いの才女がデビューしている。

そのほか、「エイドリアナ・エヴァンス」「ローネイ」「ダヴィーナ」「チェロキー」「アメール・ラリュー」といった女性の登場(独立)もシーンを賑わせ、2000年は『ジル・スコット』が大ヒット。

その影響を受けて、「レディシ」をはじめ、エリカの諸作でバック・シンガーを務めていた『N’Dambi(エンダンビ)』や「ヤーザラー」「カレン・バーノッド」といったインディー発の女性シンガーの作品にまで急激に光が当たり始めた時代だった・・・。

本日は有名歌手ではないものの、個人的には当時よく聞いた『Cherokee(チェロキー)』の「Fictitously」を選曲してお届け。

by JELLYE ISHIDA.


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