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【 緊急速報 】Black Lives Matter (黒人の命をないがしろにするな) ‼

【 緊急速報 】Black Lives Matter (黒人の命をないがしろにするな) ‼

 


 
緊急速報:Black Lives Matter (黒人の命をないがしろにするな) ‼】

 
今年に入り、「不穏なニュース(Ain’t That Good News/直訳:良いニュースではない)」が目まぐるしく世界中を駆け巡っている・・・。

至るところで、「変化を求める声(A Change Is Gonna Come/いつかきっと変化は訪れる)」が高らかに叫ばれる現状に対し、本気で「目を開き、耳を傾ける」必要性を誰もが感じているのではないだろうか ‼

2020年5月25日、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで丸腰の黒人男性「ジョージ・フロイドさん」が白人警官に首を押さえつけられて窒息死させられた事件をきっかけに、黒人の人たちに対する暴力に抗議する『Black Lives Matter(BLM)運動』は世界中で広がりを見せている。
 

 
日本では、NHKによる抗議運動の報じ方が「重要な背景を簡略化して描いたことが問題だ」と批判されているが、アメリカでも黒人差別問題は深く入り組んでおり、簡単には語れないと言う。また、「Black Lives Matter」と呼ばれる抗議運動の何が複雑なのかが議論になっている。その内容は「黒人の命も」大事なのか、あるいは「黒人の命は」大事なのか。また、「All Lives Matter(全ての命が大事)」と同義なのかという点だ。
 

 
上記については、2020年7月7日号 (6月30日発売) の Newsweek「Black Lives Matter 特集」において、特別寄稿者「ウェスリー・ラウリー」(ピュリツァー賞受賞ジャーナリスト)は、“今回の黒人差別反対運動はいつもと違う” と指摘した上で、“黒人社会の慟哭(どうこく)を聞け、今こそ変わる時だ” と鋭い視点でリポートを寄稿している。(「慟哭=どうこく」とは、悲しみに耐えきれず声をあげて泣くこと)
 



 
そして、Black Lives Matter抗議運動を報じるニュース映像のバックで流れていた音楽は、1964年12月11日、ロサンゼルスで不慮の死を遂げた『サム・クック』の遺作 “A Change Is Gonna Come” であった・・・‼

クックの遺作 “A Change Is Gonna Come” は、1964年3月に出たアルバム『Ain’t That Good News』のB面1曲目に収録されて世に出た。また、サムの死の直後に発売されて大ヒットしたシングル盤は、明るいダンス・ナンバーの “Shake” だった。しかし、一部のラジオ局のDJたちがB面を推したことから、“A Change Is Gonna Come” はB面ながらもチャート入りを果たし、広く浸透していった。
 

 
公民権運動をはじめとする当時の社会情勢や状況に対して、「いつかきっと変化は訪れる」という言葉に託されたクックの歌には、「人種差別のない社会が来ることを願う気持ち」が込められていた・・・。

それが同胞達から、後になって絶大な支持を得ていくことになるのである ‼

だがそのことを実感する機会は、残念ながらクックに訪れることがなかった。

曲の中で、彼は “I don’t know what’s up there, beyond the sky(一体この空の向こうには何があるのだろう、それは僕にも分からない)” と歌い、“It’s been a long, a long time coming/But I know a change is gonna come/Oh yes it will(とても長い長い道程だったけれど/僕には分かるんだ、変化の時が近いことが/ああ、そうさ、きっとその時が来る)” と歌詞は続く。

彼にこの曲を聴かされた弟子のボビー・ウーマックは・・・

「素晴らしいけれど、まるで死を暗示しているかのようだ。」

と感想を述べ、サム・クックもその意見に同意した・・・

「ああ、俺にもそう聴こえるよ。だからこいつを公の場でプレイすることはきっとないだろうな・・・」

そして本当にその通りになったのだ。この曲がリリースされる2週間前、サム・クックは銃弾に倒れ還らぬ人となったのだった・・・‼


 
残念ながら、サム・クックが33歳(1964年12月11日)という若さで謎の銃弾に倒れてから56年もの歳月を経る今年、彼の願いとは裏腹にいまだ世界は波乱に満ちている・・・。

主に1950年代から1960年代にかけて、アメリカの黒人(アフリカ系アメリカ人)が、公民権の適用と人種差別の解消を求めて行った当時の「公民権運動」と、現在の「Black Lives Matter抗議運動」の勃発を安易に同一視することは余りに稚拙とは言え、そこに横たわる本質的な問題には共通点が見て取れる。

ただし、その問題の結果を変えたければ、「その原因を変える」ための行動へと導く意志と勇気、そしてこれまでの「正しい歴史(文化・社会的背景と文脈)」を含め、それらと向き合う『動機づけ』が必要であろう。

クック生前の当時は、現在よりもはるかに社会情勢や状況の変化に関し、誰もが敏感にならざるを得ない時代だったが、サム・クックは黒人音楽の新しい時代を切り開く象徴的存在だけに留まらず、人種差別についても明確な意志をもつ黒人公民権運動家の重要な人物のひとりとしても先駆者として歩み続けた。

そうした意味において、サム・クックの「声(スピリット)」と「歌(ソウル)」に親しみを持つことは、上記に掲げた諸々の問題を考える良き機会となると同時に、それらと向き合う充分な『動機づけ』になり得るだろう。

Mr. Soul “Sam Cooke”
「今」、その魂 (ソウル = 歌) の叫びが木霊 (コダマ = 声) する…

by JELLYE ISHIDA.
 


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