1974年1月、女性ファンの黄色い歓声とともに甘く愛を歌うMarvin GayeのOakland Coliseumで行われたライブが収録され、そのアルバム『Live!』はBillboard アルバム チャートで8位を記録した。
デビューから15年、この時彼は34歳・・・。「Tammi Terrell(タミー・テレル)」の死からステージに立つ事を止めたマーヴィンは、2年のブランクを経て1972年に故郷のWashington D.C. で「Marvin Gaye Day」としてステージに立ったものの、さらに2年が経ち、ステージに対する恐怖を克服する為にコカインを服用していた。
そのステージは、見た目もそっくりな弟の「Frankie Gaye(シンガー)」がステージに上がり、マーヴィンが本物である事をアピールする演出から始まる。
このアルバム収録曲の“Distant Lover”は情感たっぷりに見事に歌い上げ、奇跡的に神がかった名唱であることが観客の熱狂ぶりからも読み取れる。
ただ次の曲では、離婚そしてモータウン脱退から巨額の借金の原因となった当時の恋人 “Jan(Janis)” を歌い始めた瞬間、突然観客のテンションが下がり、本人自身も思わず苦笑いしているという実にマーヴィンらしさが伺える面白いステージでもある。
またバックバンドの顔ぶれも豪華で、ベースの「James Jamerson(ジェームス・ジェマーソン)」は勿論のこと、ギターの「David T. Walker(デイヴィッド・T・ウォーカー)」とキーボードの「Joe Sample(ジョー・サンプル)」と言った、名立たるプレイヤーの演奏も最高である。
・David T. Walker/ Lovin’ You (Live)
・George Benson & Joe Sample/The Ghetto (Live)
特に、最後に収録されている“What’s Going On”での演奏は、各プレイヤー達の持味が絶妙にアンサンブルされながらも、マーヴィンの歌唱をいっそう際立たせる「ソフィスティケイトな楽曲」として最高の仕上がりと言えるだろう。
by JELLYE ISHIDA.
[ 連載 ‼ Marvin Lover. ]
● VOL.1:Inner City Blues/インナーシティ・ブルース(都市のブルース)
● VOL.2:お蔵入りしたマーヴィン・ゲイの名曲『You’re The Man』
● VOL.3:マーヴィン・ゲイの『トーン(声)を自由自在に操る才能』
● VOL.5:Live At Oakland Coliseum, CA 1974
● VOL.6:単独で聴いては魅力が伝わらない ‼ 華麗なる曲『Mercy Mercy Me (The Ecology)』
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