【 The truthfulness of the Roots music 】
今回、新たに開設するテーマ「The Roots music」では、芸術音楽とポピュラー音楽の歴史に対する「真実性(truthfulness)」に言及したい・・・。
どちらかと言えば、アメリカの「ポピュラー音楽(特に商業音楽)」をメインに、これまでの歴史とその歴史化に至るプロセスに再度メスを入れ、これまで語られてきた「ステレオタイプの歴史的常識」を刷新することに挑戦したいと思う。
つまり、ポピュラー音楽の歴史化へ新たな視点(コンテクスト/文脈)を与え、更なる広がりと深さを見い出す作業を通じ、これまで開示されていない『価値と意味』を付与することにより、統合的(多面的かつ多層的)な批評(再評価)を「エレガントでエキサイティング」に試みる。
まさに、「客観的(外面的)通史(真実/事実)」だけではなく、「主観的(個人的内面/審美的)な真実性(美徳)」と「間主観的(集団的内面/文化的)な正当性(善)」にも踏み込んで、その歴史に『スピリットの光』をもたらせればとの願いが込められている・・・。
Roots music(ルーツ・ミュージック):
音楽的かつ精神的支柱となる音楽。たとえば 1950年代から 60年代にかけてのジャズ黄金時代を支えた黒人ミュージシャンの大半にとって、ブルースやゴスペルがルーツ・ミュージックであるといえる。近年みられる、ロック・ミュージシャンのアコースティック指向、ブルースやカントリー音楽を取上げる傾向も、ルーツ・ミュージックへの回帰であるといえるであろう。
Truthfulness(トゥルースフルネス):
truth は元々「本当(true) である事」ということ。true の名詞形でtrue + thは「真実・真理・真相」といったような語義で用いられる。この truth という名詞に -ful という接尾辞を加えると形容詞になり、元の形容詞である true とはややニュアンスの違う語(=派生語)になる。その意味は「true 真実の・本当の」から、「truthful 誠実な・忠実な・正直な」といったようなものになる。この形容詞 truthful にさらに「名詞を作るための接尾辞」である -ness をつけた派生語が truthfulness で、そのまま「真実性→誠実(さ)・正直(さ)」といったような意味になる。