先月10月6日、世界中のメディアで“ポスト・アリーヤ”として一躍大きな注目を集めた『Kelela(ケレラ)』が、ついに待望のデビュー・アルバム『Take Me Apart』を発表した。
ワシントンDCに生まれ、現在はLAを拠点に活動するR&Bシンガー / ソングライター、ケレラ。2013 年に発表されたミックステープ作品『Cut 4 Me』で、90sへのオマージュをベースにレフトフィールド〜インディR&Bの潮流を仕掛け、“ポスト・アリーヤ”として一躍大きな注目を集める。
『Cut 4 Me』リリース後、誰もがアルバムを待ち望む中、オリジナル作品としてはシングルとEP作品「Hallucinogen」をリリースしただけだったが、「Hallucinogen」に収録された“Rewind”が、『ニューヨーク・タイムズ』紙の「これからの音楽の方向性を感じさせる25曲」に選出されるなど、再び話題に火がつき、ザ・エックス・エックスとのワールド・ツアー、ソランジュ『A Seat At The Table』や、ダニー・ブラウン『Atrocity Exhibition』、そしてゴリラズ『Humanz』への客演などつねに注目を集めてきたケレラ。さらにかねてよりビョークがその才能に惚れ込んでいることも知られており、自身のSNSで度々ケレラを賞賛している。
メインストリーム / ポップとレフトフィールドとの邂逅を果たしたと言える本作では、ジャム・シティとアリエル・レクシャイドを共同エグゼクティヴ・プロデューサーに迎え、アルカ、ボク・ボク、キングダムといった盟友たちもプロデューサーとして名を連ねている。さらにモッキーやロミー・マドリー・クロフト(ザ・エックス・エックス)、タレイ・ライリーがソングライラーとして参加し、ポップの新基準を打ち出すと共に、革新的なR&Bの過去20年を見渡し、さらにその先へと推し進めた傑作を完成させている。
ケレラによると「このアルバムは個人的な記録だけど、わたしのアイデンティティの政治的な背景が、どんな音にするとか、わたしの脆さや強さをどう表現するのかということを特徴づけているの。わたしは黒人女性で、エチオピア系アメリカ人の移民2世で、R&Bやジャズやビョークを聴いて郊外で育った。そういったすべてが、いろいろなところに表れているわ。」と語っている。
この混沌とした時代に彼女は、新世代を迎えたR&Bの新たなアイコンとして確固たる地位を築き上げた。
by JELLYE ISHIDA.
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